700年前から、ちっとも変ってやしない 後編

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mihopapa
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ツイッター界隈でエア台になっていたのですが、徒然草の時代から、人に無理やり酒を
飲ますことはあったんですね~
今はさすがに「俺の酒が飲めんのか!」って人は減ったと思いますが、いわゆる「イッキ
飲み」は体育会系では、やってそうな…

175段「世には心得ぬ事の多きなり」の前半です。

<原文>
世には、心得ぬ事の多きなり。ともある毎には、まづ、酒を勧めて、強ひ飲ませたるを興と
する事、如何なる故とも心得ず。飲む人の、顔いと堪へ難げに眉を顰め、人目を測りて
捨てんとし、逃げんとするを、捉へて引き止めて、すゞろに飲ませつれば、うるはしき人も、
忽ちに狂人となりてをこがましく、息災なる人も、目の前に大事の病者となりて、前後も
知らず倒れ伏す。祝ふべき日などは、あさましかりぬべし。
明くる日まで頭痛く、物食はず、によひ臥し、生を隔てたるやうにして、昨日の事覚えず、
公・私の大事を欠きて、煩ひとなる。人をしてかゝる目を見する事、慈悲もなく、礼儀にも
背けり。かく辛き目に逢ひたらん人、ねたく、口惜しと思はざらんや。人の国にかゝる
習ひあンなりと、これらになき人事にて伝へ聞きたらんは、あやしく、不思議に覚えぬべし。

<現代語訳>
世の中、不可思議なことが多い。ことあるたびに何よりまず酒を勧め、強いて飲ませることを
面白がるけれども、全く意味不明である。 飲まされる方の人が辛そうな顔つきで眉を顰め、
人目を盗んで杯の酒を捨てようとしたり、飲まされまいと逃げようとするところを捕まえて
引き留め、むやみやたらに飲ませたりすれば、立派な人であろうとあっという間に狂人の
バカになる。元気な人もだんだん重病人みたいになって、前後不覚で倒れて寝てしまうのだ。
それが当人の祝い事の日であれば、なおさらバカバカしいことだ。
次の日まで頭は痛み、物も食べられず、うめきながら寝込み、前世のことをまるで覚えて
いないかのように昨日の記憶も失くす。仕事や私事の大事な用事もできやしないので、
差し障りも多いのだ。人にこんな思いをさせることは、慈悲の心がなく礼儀にも背いている。
こんな辛い目に遇わされた人は、飲ませた人を忌々しく恨めしく思うに決まっているでは
ないか。よその国にこんなバカげた風習があると聞いたなら、酒を無理強いする風習が
ない国の人々は呆れて不思議に思うに違いない。
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